飼料作物病害図鑑

エンバク かさ枯病 リスク評価スコア2.7 (2,3,3)

病徴 病徴(拡大)
病徴(接種、1-3枚目:抵抗性、
4-6枚目:中程度、7-9枚目:罹病性)
罹病組織から噴出した菌泥

病徴:温暖地での発生が多い葉枯性のバクテリア病。葉では初め水浸状の斑点が現れるが、後に褐色の楕円形、紡錘形病斑となり、病斑周囲は黄色いハロー(かさ)で囲まれる特徴がある。病勢が進むと病斑が縦に伸び条状になり、最終的には枝梗や種子も侵されることがある。

病原菌:Pseudomonas syringae pv. coronafaciens (Elliott 1920) Young, Dye and Wilkie 1978、バクテリア
病原菌は稈状細菌で、罹病組織の維管束内に菌体が充満し、切断すると多量の菌泥(菌体の集合体)を噴出する。エンバクに強い病原性を示すほか、コムギ、オオムギ、カモジグサ、ブロムグラスなどにも有傷接種により病原性を示す(田部井 1964)。最適発育温度は22.5℃であり、このため暖地で2月頃から多発する。


防除法:幼苗での抵抗性検定が試みられ、幾つかのエンバク品種・系統が抵抗性と判定されているが(月星ら 2007, 2009)、圃場での発病度は明らかではない。本病に対する抵抗性は品種登録時の検定項目に加えられることが多く、圃場で明瞭な抵抗性を示す系統が育成されている(桂ら 2005, 2006, 2008a)。

総論:月星(2011c)


畜産研究部門(那須研究拠点)所蔵標本

標本番号 宿主和名 宿主学名 症状 採集地 採集年月日 採集者
N4-122 エンバク Avena sativa L. かさ枯病 千葉雪印農場 1966.4.21 西原夏樹

(月星隆雄,畜産研究部門,畜産飼料作研究領域,2021)


本図鑑の著作権は農研機構に帰属します。

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